印刷物が出来上がるまでには、 幾つかの工程を経なければならない。 今月は、 顧客の原稿からデザイン・レイアウト・文字入力などにより組版を作成し、 印刷機により刷り出される前工程受け持つDTP業者の組合を訪ねた。

 

●大競争時代に突入

 パソコン画面に向かいキーボードを叩く音だけが静かに響く。 手動・電算写植機の専用機からパソコンを利用したデジタル化へ移行。 従来の写植業からDTPの横文字産業へ脱皮した。

 パソコンがもはや特別な情報処理ツールで無くなったと同様に、 デジタル化による文字組みの工程も、 印刷産業の中で特別な職域でなくなった。 最盛期の組合員数50名が3分の1にまで減少したのも、 技術革新と大競争の時代を表している。

 

●組合の役割は何か

 組合も時代の変化に対応すべく、 5年前よりマッキントッシュによるDTP技術習得に力を注ぎ、 「MACスクール」 を組合事務所で開講。 組合員のデジタル化移行へ多大な貢献を果たしてきている。

 忙しい日常業務に追われる中、 業務はデジタル化に切り替えた。 しかし、 このデジタル技術はパソコンだけみても半年で新機種が出てくる日進月歩の世界である。 どこまで高い技術を習得すればよいのか、 今日の売上に跳ね返ってくるのか、 中小企業としては本音の悩みもある。 この迷いを払拭すべく、 昨年主催県として開催した全国大会で、 「創造しよう明日のテクノロジー」 をスローガンに掲げ、 組合事業として積極的に技術向上の先頭を切る決意表明を行った。

 

●どんと来いネットワーク

 悩みを凌駕する新分野も視野に入ってきた。 画像と組版とを統合処理するDTPは、 紙媒体への出力手段だけでなく、 CD−ROM、 インターネットへと、 多様なメディアへ提供が可能である。 デジタル産業は、 今後成長が期待される情報産業の一画を占めている。

 平成10年度事業として、 中央会の 「中小企業マルチメディア対応調査研究事業」 補助金を組合は利用した。 DTP版バーチャル・コーポレーションを構築、 ネットワークの力で仕事の間口を拡大すべく検討を重ねた。

 事業終了後も参加した若手後継者や各社の柱となる従業員がインターネットにより技術向上集団として継続的な活動を決定。 一歩前進した当組合の新分野開拓が、 大きな成果に結びつくことに期待したい。

(訪問者:工業振興部 望月良治)

 

 

▲ホームページも研修成果

(http://www.kdtp.or.jp/)